NISAとiDeCoどちらがおすすめ?併用できる?
マイナス金利のこのご時勢、ただ預金口座にお金を預けていてもお金は殖えないので、新たに資産運用を検討しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんななか、非課税メリットのあるNISAやiDeCoが気になっているという方のために、NISAとiDeCoの違いや気になる併用の可否について解説いたします。
そもそもNISAとiDeCoとは?
最近耳にすることが増えた、「NISA」や「iDeCo」という資産運用に関する制度。どちらも「非課税メリット」があるということで話題を呼んでおりますが、一体どのような制度なのでしょうか?
NISA(ニーサ)
株式や投資信託の売却益(値上がり益)や配当(分配金)などを非課税にしてくれる制度です。そのため、せっかく株式投資や投資信託を始めるのであれば、一般口座よりもNISA口座を利用したほうが税金分お得と言えます。「今まで資産運用をしたことがない」という方に対して、税金面を非課税にすることでバックアップしてくれる制度とも言えるでしょう。
また、当然ですが、運用期間や非課税となる金額には制限があります。具体的には、非課税期間は最長で5年間、非課税となる金額は投資金額120万円までとなっています。なお、NISAは2014年から2023年までの期間限定の制度となっています。
iDeCo(イデコ)
こちらは個人型確定拠出年金とも呼ばれますが、“年金”とついていることからもわかるとおり、ご自身の老後の準備のために作られた制度です。原則60歳まで引き出すことができないので、ご自身の退職金作りのための制度と考えると良いでしょう。そして、NISA同様、運用益が非課税になることはもちろん、所得控除にもなるので積立期間中も節税できるというメリットがあります。
また、みなさんの勤務形態によって月額の上限が異なります。なお、投資対象に個別株式を選ぶことはできず、投資信託か元本保証タイプを選ぶことになります。
NISAとiDeCoの違いとは?FPからみてどちらがおすすめ?
では、そんなNISAとiDeCoですが、一体どのような違いがあるのでしょうか?以下で、NISAとiDeCoそれぞれを比較してみましょう。
NISA
<投資対象> 上場株式、投資信託、ETF、リートなど
<非課税メリット> 売却益・配当(分配金)が非課税
<非課税期間> 最長5年間(いつでも引き出し可能) *ロールオーバーあり
<拠出方法> 自 由
iDeCo
<投資対象> 投資信託、預金タイプ
<非課税メリット> 拠出金が全額所得控除、運用益が非課税
<非課税期間> 60歳まで(原則引き出し不可)
<拠出方法> 積み立て
一見すると同じように思えるNISAとiDeCoですが、上記のようなさまざまな違いがあります。よって、一概にどちらのほうがおすすめと言うことはできません。そこでFPとしては、ある程度資金に余裕があり、比較的近いうちに利用するかもしれないお金のために利用するのであれば「NISA」をおすすめします。一方、老後のために毎月積み立てをしていくということであれば「iDeCo」を採用すると良いでしょう。
NISAとiDeCoの併用もできる!?
さて、さまざまな違いはあれど、いずれにせよ非課税メリットのあるNISAとiDeCo。果たして、併用することはできるのでしょうか?
答えは、YESです。実は、NISAとiDeCoは併用することが可能なのです。前述のとおり、NISAとiDeCoは利用目的が異なりますよね。そのため、利用目的に合わせて、2つの制度を上手く併用することをおすすめします。
というのも、資産運用に「絶対に儲かる!」という方法はありませんよね。そんな中、収益性を高めるには、非課税というのは大きなメリットとなります。たとえば、資産運用が得意なAさんと、資産運用初心者のBさんがいたとします。資産運用の結果、Aさんは100万円の利益を上げたとします。通常、約20%の税金を取られるので、実質は80万円弱の利益となります。一方、Bさんは85万円の利益を上げたとします。しかしながら、非課税扱いになる資産運用をしていたため、85万円がそのまま利益となったとします。その結果、運用益自体はAさんのほうが高かったのに、税金分を考慮するとBさんのほうが儲かることに……。このことから、より多くの非課税メリットを享受することの大切さを理解していただけたのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか?これから資産運用を検討されてる方は、非課税メリットのあるNISAやiDeCoをぜひ有効活用してくださいね。その上で、実際に商品選びでお悩みの方は、資産運用に詳しいFPに相談することもお忘れなく!